単層カーボンナノチューブ入り正極材:より優れた放電速度と安全性、高いエネルギー密度、長い耐用年数
性能が要求される厳しい市場
エネルギー密度・充電速度・製品寿命・安全基準のどれをとっても、未来を担う電気自動車業界が掲げる目標は大きなものです。これに対応するため、リチウムイオンバッテリー製造企業は、バッテリーセルに最適な材料を選択する必要に迫られています。激しい競争を生き抜くためには、バッテリーの性能を上げる事が何よりも重要です。
TUBALL™ 単層カーボンナノチューブ
リチウムイオンバッテリーに使用できる材料のうち、最も強く、電気導電性に優れているのが、TUBALL™ 単層カーボンナノチューブです。長さ対直径比の高さや柔軟性により、活物質に電気導電性・補強ネットワークを作り出せるため、超低濃度の添加でリチウムイオンバッテリーの性能を大幅に向上させます。
メカニズム
SEM画像が示す通り、たった0.08%のTUBALL™ 単層カーボンナノチューブが、NCM 811の活物質粒子を完全に覆い、粒子間の通電を達成します。
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性能の向上
単層カーボンナノチューブが持つそのユニークな物性により、リチウムイオンバッテリーの性能は、放電性能、エネルギー密度、接着力、さらに安全性と、どれをとっても大きく向上します。これほどの改善は、従来のリチウムイオンバッテリー正極材料用導電性添加物である、カーボンブラックや多層カーボンナノチューブ(MWCNT)には達成不可能でした。
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より優れた放電性能
優れた電気導電性を持つTUBALL™単層カーボンナノチューブだからこそ、正極材料に使用する事で、バッテリーの容量を上げながらも、速い放電を可能にします。
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エネルギー密度の向上
TUBALL™は、たった0.1%以下の添加で、エネルギー密度を向上します。この添加率は、他の導電性添加剤(多層カーボンナノチューブやカーボンブラック)と比べると、10分の1から60分の1となります。現在、EVバッテリーパックに使用されている5kgの導電性カーボンブラックは、たった100gのTUBALL™で置換できます。
より強い正極接着
ナノチューブのネットワークが正極材料の粒子をしっかりつなぎ、結合力を高めます。
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安全性
リチウムイオンバッテリーに使用できる材料のうち最も高い電気導電性を誇るTUBALL™ 単層カーボンナノチューブは、ごく少量の添加でもバッテリー内部の直流抵抗を下げる作用があります。複数回の充放電や保存の後でも、正極材料内に作られたTUBALL™の安定したネットワークが、高温保存と充放電サイクル後も直流抵抗を低いレベルに保ちます。
バッテリー内部の直流抵抗が小さければ、温度の上昇も抑制され、バッテリー火災のリスクも低減されます。これは、TUBALL™ 単層カーボンナノチューブがもたらす、安全面における重要な利点です。
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TUBALL™ が可能にする性能
LCO、LFP、NCMといった正極材料への添加をより簡単にするため、OCSiAlは、予備分散済みの TUBALL™ BATT シリーズを開発しました。この製品シリーズは、各種液状担体に単層カーボンナノチューブがしっかりと分散されており、通常の製造工程に投入するだけで、高性能の正極生産が可能です。
正極材料用TUBALL™BATTの利点:
- 活物質の含有率を最大化することにより最高のエネルギー密度を達成
- 直流抵抗の維持で温度上昇を抑制し、安全性を大幅向上
- 放電性能の向上によるパワーアップ
- 電極接着性の向上
シリコン負極材の問題であるサイクル寿命の短さもTUBALL™で解決。
TUBALL™ BATTの詳細に関しては、下記のリンクをご参照になるか、当社までご連絡ください。
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用途
エネルギー貯蔵
材料
正極
担体
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)
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